2012年10月17日
第7回 ブログから電子書籍を作るには(2)
前回のコラムでは特別なツールを使わずにEPUBファイルを作りました。EPUBはHTMLのドキュメントとメタ情報をパッケージしたファイルであるため、テキストエディターだけで作る事もできますが、実際の制作では専用のアプリケーションやサービスを利用する法が圧倒的に簡単です。今回は、ブログからEPUBを作成するのに利用できるサービスやアプリケーションを紹介します。
Webサービスを利用したEPUB作成
【 パブー 】 → http://p.booklog.jp/users/inu-goya
ブクログの運営する個人向け電子出版サービスです。
多くのブログサービスが対応しているMovable Type形式の出力データを管理画面からインポートできるので、ブログを取り込みEPUBに変換する操作は非常に簡単です。ブラウザでの閲覧や、PDFとEPUB 2(最新バージョンのEPUB 3ではありません)のパブリッシュに対応しています。
前回エディターを使って作成したブログのサンプルを、同様にパブーでも作成してみました。
パブーで制作したサンプル(パブー内サイト)
制作だけでなく、販売機能や外部ストアとの連携といった小規模電子出版のプロセスをほぼ一つのサービスで完結することができ、 操作性もよく考えられています。個人の情報の共有やコンテンツ化にフォーカスした今後の電子出版の雛形的なサービスだと思います。
デスクトップアプリケーションでの作成
【 FUSEe ベータ(フュージーベータ) 】 → http://development.fusenetwork.co.jp/
EPUB 3に対応したオーサリングソフトです。対応OSはWindowsのみですが、無料で利用する事ができます。デスクトップアプリケーションとしてEPUB 3の作成に対応した専用ツールは現状ではほぼないため、貴重なEPUB 3専用の制作アプリといえます。
デスクトップアプリケーションとして、「一太郎2012承」や「InDesign CS6」などもEPUB 3ファイルの出力に対応しています。一太郎はパブーと連携し、パブーから一太郎で作成したEPUBファイルがインポートできるようになっています。
固定レイアウトのEPUBを作成するWebサービス
【 Tigris plus 】 → http://tigris.jp
EPUB作成ツールの多くが、閲覧環境によってレイアウトの変わるリフロータイプに対応していますが、「Tigris plus」はテキストと画像のレイアウトをページのデザインとして表現することを意図した、固定レイアウト専用のEPUB 3オーサリングツールです。
文字中心のブログであればリフロータイプのEPUBが良いと思いますが、写真やイラストなどがコンテンツの中心であれば、ページを著者が意図したレイアウトで見せたいというニーズも出てくるのではないかと思います。
Tigris plusではiPadなどのタブレットのサイズに最適なグリッドレイアウトテンプレートとテキストや画像のレイアウトモジュールをコンポーネント化し、誰でもページレイアウトの電子書籍を作ることができるEPUB制作のインターフェースを提供しています。
Tigris plusで作ったEPUBサンプルは、こちら。
iPadのiBooksや、下記の「readium」などで読むことができます。
EPUB を読む
さて、今回はツールを使ったEPUBの作り方を紹介しましたが、その中で紹介したEPUBのサンプルや、このコラムを見て試しにEPUBを作ってみた方は、どのようにEPUBファイルを利用したらいいのでしょうか。
1)パソコンでEPUBを読む
【 readium 】 → http://readium.org
EPUBを管理するIDPFがEPUB 3のリファレンス実装(見本となるリーダー)として開発をサポートするツールです。WebブラウザーのChromeの拡張機能として動作します。Chrome web storeから無料のアプリをダウンロードして利用します。
【 Adobe Ditital Edition 】
→ http://www.adobe.com/products/digital-editions/download.htmexportedGraphic.pdf
Adobeが無償で公開する電子書籍ビューワーソフトです。WindowsとMac OSXに対応しています。最新のバージョンは2.0で一部日本語の縦書きに対応しているようです。
【 murasaki 】 → http://genjiapp.com/mac/murasaki/index.html#download
有料(800円)ですがMacでEPUB 3を利用するには欠かせないアプリです。日本語の縦書きや固定レイアウト表示に対応しています。Mac App Storeからダウンロードできます。
2)スマートフォンでEPUBを読む
【 iPhoneやiPadの場合 】
iPhoneやiPadでEPUBを読む場合、迷わずiBooksを利用することをお勧めします。iOS標準のリーダーで日本語独自のレイアウトにも対応しています。
【 Androidの場合 】
Androidの場合OS標準のEPUBリーダーがなく、Google playからリーダーアプリをインストールしてEPUBを利用します(端末によってはEPUBリーダーがプリインストールされていることもあるようです)。
Aldikoや、CopperReaderなどが、EPUB 3に対応した定番リーダーのようです。
参考URL一覧
◆パブー
→ http://p.booklog.jp/users/inu-goya
◆ FUSEe ベータ
→ http://development.fusenetwork.co.jp/
◆ Tigris plus
→ http://tigris.jp
◆ Readium
→ http://readium.org
◆ Adobe Ditital Edition
→ http://www.adobe.com/products/digital-editions/download.htmexportedGraphic.pdf
◆ Murasaki
→ http://genjiapp.com/mac/murasaki/index.html#download
※「電子書籍スタートガイド」 は、この第7回が最終回です。
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◆このコラムのほかの回を読む
第1回 本の価値から電子書籍を想像する
第2回 理解をナビゲーションする電子書籍デザイン
第3回 電子書籍と読書体験のクラウド化
第4回 EPUB 3
第5回「本」だけではない電子書籍活用アイデア
第6回 ブログから電子書籍を作るには(1)
第7回 ブログから電子書籍を作るには(2) (最終回)
Webサービスを利用したEPUB作成
【 パブー 】 → http://p.booklog.jp/users/inu-goya
ブクログの運営する個人向け電子出版サービスです。
多くのブログサービスが対応しているMovable Type形式の出力データを管理画面からインポートできるので、ブログを取り込みEPUBに変換する操作は非常に簡単です。ブラウザでの閲覧や、PDFとEPUB 2(最新バージョンのEPUB 3ではありません)のパブリッシュに対応しています。
前回エディターを使って作成したブログのサンプルを、同様にパブーでも作成してみました。
パブーで制作したサンプル(パブー内サイト)
制作だけでなく、販売機能や外部ストアとの連携といった小規模電子出版のプロセスをほぼ一つのサービスで完結することができ、 操作性もよく考えられています。個人の情報の共有やコンテンツ化にフォーカスした今後の電子出版の雛形的なサービスだと思います。
デスクトップアプリケーションでの作成
【 FUSEe ベータ(フュージーベータ) 】 → http://development.fusenetwork.co.jp/
EPUB 3に対応したオーサリングソフトです。対応OSはWindowsのみですが、無料で利用する事ができます。デスクトップアプリケーションとしてEPUB 3の作成に対応した専用ツールは現状ではほぼないため、貴重なEPUB 3専用の制作アプリといえます。
デスクトップアプリケーションとして、「一太郎2012承」や「InDesign CS6」などもEPUB 3ファイルの出力に対応しています。一太郎はパブーと連携し、パブーから一太郎で作成したEPUBファイルがインポートできるようになっています。
固定レイアウトのEPUBを作成するWebサービス
【 Tigris plus 】 → http://tigris.jp
EPUB作成ツールの多くが、閲覧環境によってレイアウトの変わるリフロータイプに対応していますが、「Tigris plus」はテキストと画像のレイアウトをページのデザインとして表現することを意図した、固定レイアウト専用のEPUB 3オーサリングツールです。
文字中心のブログであればリフロータイプのEPUBが良いと思いますが、写真やイラストなどがコンテンツの中心であれば、ページを著者が意図したレイアウトで見せたいというニーズも出てくるのではないかと思います。
Tigris plusではiPadなどのタブレットのサイズに最適なグリッドレイアウトテンプレートとテキストや画像のレイアウトモジュールをコンポーネント化し、誰でもページレイアウトの電子書籍を作ることができるEPUB制作のインターフェースを提供しています。
Tigris plusで作ったEPUBサンプルは、こちら。
iPadのiBooksや、下記の「readium」などで読むことができます。
EPUB を読む
さて、今回はツールを使ったEPUBの作り方を紹介しましたが、その中で紹介したEPUBのサンプルや、このコラムを見て試しにEPUBを作ってみた方は、どのようにEPUBファイルを利用したらいいのでしょうか。
1)パソコンでEPUBを読む
【 readium 】 → http://readium.org
EPUBを管理するIDPFがEPUB 3のリファレンス実装(見本となるリーダー)として開発をサポートするツールです。WebブラウザーのChromeの拡張機能として動作します。Chrome web storeから無料のアプリをダウンロードして利用します。
【 Adobe Ditital Edition 】
→ http://www.adobe.com/products/digital-editions/download.htmexportedGraphic.pdf
Adobeが無償で公開する電子書籍ビューワーソフトです。WindowsとMac OSXに対応しています。最新のバージョンは2.0で一部日本語の縦書きに対応しているようです。
【 murasaki 】 → http://genjiapp.com/mac/murasaki/index.html#download
有料(800円)ですがMacでEPUB 3を利用するには欠かせないアプリです。日本語の縦書きや固定レイアウト表示に対応しています。Mac App Storeからダウンロードできます。
2)スマートフォンでEPUBを読む
【 iPhoneやiPadの場合 】
iPhoneやiPadでEPUBを読む場合、迷わずiBooksを利用することをお勧めします。iOS標準のリーダーで日本語独自のレイアウトにも対応しています。
【 Androidの場合 】
Androidの場合OS標準のEPUBリーダーがなく、Google playからリーダーアプリをインストールしてEPUBを利用します(端末によってはEPUBリーダーがプリインストールされていることもあるようです)。
Aldikoや、CopperReaderなどが、EPUB 3に対応した定番リーダーのようです。
参考URL一覧
◆パブー
→ http://p.booklog.jp/users/inu-goya
◆ FUSEe ベータ
→ http://development.fusenetwork.co.jp/
◆ Tigris plus
→ http://tigris.jp
◆ Readium
→ http://readium.org
◆ Adobe Ditital Edition
→ http://www.adobe.com/products/digital-editions/download.htmexportedGraphic.pdf
◆ Murasaki
→ http://genjiapp.com/mac/murasaki/index.html#download
※「電子書籍スタートガイド」 は、この第7回が最終回です。
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◆このコラムのほかの回を読む
第1回 本の価値から電子書籍を想像する
第2回 理解をナビゲーションする電子書籍デザイン
第3回 電子書籍と読書体験のクラウド化
第4回 EPUB 3
第5回「本」だけではない電子書籍活用アイデア
第6回 ブログから電子書籍を作るには(1)
第7回 ブログから電子書籍を作るには(2) (最終回)
Posted by eしずおかコラム at 11:00